詩: 椎由怜太
曲: 米島 勉
何を描いているのですか
君の小さなアトリエ
僕だけにおしえて
誰にも言わないから
白い画用紙に大きな
赤い丸がひとつ
まわりには緑や
黄色の棒線
この世にひとつだけ大切なものが
あるならそれはきっと君の心の中
僕の目には見えないけれど
歪んだ線の中にもきっとすばらしい世界が
あるのだろうね
だから For ever For ever
どんな夢見ているのですか
君の小さなアトリエ
僕だけにおしえて
誰にも言わないから
君のやすらかな寝顔が
ほらまた笑ってるよ
目を閉じているだけで
そこは君のアトリエ
この世にひとつだけ大切なものが
あるならそれはきっと君の心の中
明日になれば忘れているような
小さな夢の中にもきっとすばらしい未来が
あるのだろうね
だから For ever For ever
木蓮の花が咲いているわと 君が指差す
それまでは二人 言葉を忘れて
歩いていた矢先のひと言
それが君の最後のさよならに変わった
それから突然 二つの影が遠くに離れる
声にならない呼び止める声が
聞こえたのは僕だけだろうか
君は急ぎ足で 振り返ることもない
雨の糸にもつれながら 立ちすくむ僕の姿
そこで物語は終わるけど
エピローグが書けないまま二年が過ぎた
エピローグが書けないまま二年が過ぎた
後から思えばあの時の君は 苦しさに耐え切れず
僕にすべての成り行きをまかせて
泣いていたのかもしれない
君が嫁いだのは その年の秋のこと
少しだけの勇気があれば 止めることもできたのに
そして何もかもがうまく行くのに
エピローグが書けないまま二年が過ぎた
エピローグが書けないまま二年が過ぎた
昨日のことが思い出せない 遠い昔のよう
君の前に誰かがいる やさしく手を伸ばして
君は駆けるように 彼のそばに寄り添う
落ちる涙をぬぐうことさえ できないままだから
二人の影が揺れているのは 涙のせいでしょう
彼を見上げている 君のやさしい笑顔
Walking hand in hand
涙で何も見えない
もう君のことは忘れてしまおう
君の瞳 君のやさしさ 初めての憧れ
今になって気付いたけれど 君はもう見えない
長い夢の中で 君に別れを告げる
You're breakin' my heart
悲しい思い出だから
もう君のことは忘れてしまおう
Go away with him
青い空に浮かんだ 白い雲の形は
まるで君と僕が 並んでお散歩
二人歩き続ける そんな夢を見ていた
夢を夢のままで 終わらせたくない
君のことだけを 思い続けている
けれども心は 届かないままに
時間だけが通り過ぎてゆくだけ
昨日の夜中前に 降り始めた雨も
もうすぐ降り止んで 青空が戻る
二人の思い出には 青空がよく似合う
楽しかったことだけを思い浮かべる
君といることが 幸せなことだと
信じているのに 心は届かない
遥か遠く 白い雲は消えてゆく
詩: 椎由怜太
曲: 米島 勉
君といた あの頃は
何もかも 二人で
おんなじ時間を 追いかけて
おんなじ場所に こしかけていたね
起きたらすぐに朝食の準備
ボクはコーヒーを淹れて
君は二人分のサラダを作り
玉子焼きとパンとヨーグルトで
出来上がり
街の通りを お散歩したり
郊外をドライブしたり
君が運転してくれるから
ビールを飲むのがとても楽しみでした
君といた あの頃は
いつもいつも 二人で
時の流れが 速すぎて
楽しいことも あっという間でしたね
日曜の朝はお買い物
近くの道の駅まで
たまにゴルフの練習に
出かけた帰りにレストランで
ランチタイム
君と別れた 今では
何もかも 一人で
過ぎ行く時間を 追いかけて
自分の居場所を 探し続けています
これから二人で 歩き始める
夕焼けに窓から 首を伸ばして
ハミングで歌の一つも
歌えるような余裕が欲しい
背中の重さにもう
歩けないとき
後ろで優しい言葉が 聞こえてくる
愛はどしゃ降り 雨の中
倒れてもなお 後を追う
そんな悲しい美しさ
自信をもって愛してください
子供が生まれて 二年もすれば
画用紙に大きな丸を描くから
その時は なんてきれいな
お花畑だと思いなさい
子供の心の中は
ただのまるにも
とてもすてきな世界が あるのだから
愛は絵具の白の色
どんな色にも混ぜて使う
空気の色の美しさ
自信をもって育ててください