アルバム(3)

潮風に揺られて

 

二人の目の前に 果てしなく広い海
小さく消えて行く 貨物船
潮騒が 海鳥が
賑やかな音を奏でる

このままもう少し 遠くを眺めていたいから
優しく肩を抱いて 目を閉じて
髪をとかしたり キスしたり
潮風に揺られていたい

 

このままいつまでも 寄せては返す波のように
終わりのない愛を 感じていたい
二人きり 寄り添って
潮風に揺られていたい

 

もう少しここにいて

 

 

詩: 椎由怜太
曲: 米島 勉

 

悲しみがグラスの中に溶けてゆく
琥珀色のためいきを指でかき混ぜる
部屋に流れるメキシコのリズム
ああ今夜も僕はここにいる
君の前には夜明けのテキーラ
口もつけずにただ見つめてばかり
あれからどれくらいたったのだろう
もう少しここにいて 僕のそばにいて
遠い昔の話をしよう
思い出はそこにあるから...

 

悲しみは時の流れに薄らいで
忘れたいほどの古傷も癒えたはずなのに
部屋にふたたびあの頃の歌
ああ今夜も僕は酔いしれる
丸いグラスの影が揺れている
迷い疲れた薄明りの中で
あれからどれくらいたったのだろう
もう少しここにいて 僕のそばにいて
つまらない話で笑い転げて
何もかも忘れたいから...
もう少しここにいて 僕のそばにいて
つまらない話で笑い転げて
何もかも忘れたいから...

悲しみがグラスの中に溶けてゆく...

 

別離(わかれ)

 

 

自分の人生を振り返りながら今思うことは
流れる雲に自分の姿を映してははしゃぎまわり
ただいたずらに時を過ごしてきた
そしていつも心の中で過ぎ去ったあの日を
夢見てばかり

人生は小さな出会い
そして大きな別離
出逢いのたびに自信が生まれ
さよならのたびにやさしさを学ぶ

 

いろんな夢が生まれては消えた何一つ実らず
時の流れはそれでもやさしく
楽しかったことだけを残して
あの頃をやり直したいそんな気持ちにさせる
波のように寄せては返す時のやさしさを
一人かみしめる

人生は小さな出会い
そして大きな別離
出逢いのたびに自信が生まれ
さよならのたびにやさしさを学ぶ

 

空色のバラード

 

 

青い空と白い雲と君の長い黒髪
風に揺れているよ
まるで僕を誘うように

青い空と白い雲と君の赤い唇
つれない素振り見せて
まるで僕を拒むように

こんなに愛しているのに
君はいつも知らんぷり
君のその冷たさは
まるで僕に気があるみたい

 

青い空と白い雲と君の細い指先
気付かない振りしないで
僕だけを見つめて欲しい

こんなに愛しているのに
君はいつも知らんぷり
君のその冷たさは
まるで僕に気があるみたい

青い空と白い雲と君の細い指先
気付かない振りしないで
僕だけを見つめて欲しい
僕だけを見つめて欲しい
僕だけを見つめて欲しい

 

春の雨

 

春の雨はやさしく...
絶え間なく降り続く
過去に別れを告げるように
静かに大地へ帰る

春の雨はすべてに
惜しみなく愛を注ぐ
心の傷を癒すように
新たな命育てる

 

春の雨は悲しく...
いつまでも降り続く
取り残された枯葉が
やがて大地に帰る

春の雨はやさしく...
春の雨は悲しく...

 

オレンジ色の街

 

詩: 椎由怜太
曲: 米島 勉

 

空をオレンジ色に
染めて沈む夕陽は
悲しそうに見えるから
そっと眼を閉じる

暮れなずむこの街を
少し歩いてみよう
行き交う人の笑い顔
意味のない言葉

いつもとおんなじ日々が
夢の中で風になる
通り過ぎて行く度に
繰り返す出来事に胸騒ぎ

 

戻ることのない日々を
今も忘れられない
想い出という奇跡に
甘えながら今日も生きている

レトロな店の隅で
一人酔いしれながら
甘い香りに包まれた
君を思い出す