心のチキンスープ ~Chicken Soup for the Soul~

心のチキンスープ ~Chicken Soup for  the Soul~

二人の修道士

巡礼中の2人の修道士が川の渡場にさしかかると、そこに美しい服を身に付けた女の人がいました。

明らかにどうしたらよいか分からない様子です。
水かさが増して、服をだいなしにしたくありません。

ためらわずに修道士の1人が彼女を背中に担ぎ、川を渡り、向こう岸で彼女を下ろしました。
それから2人の修道士は歩き続けました。

しかし、1時間後、もう1人の修道士が不平を言い始めました。

「女性に触れることは正しい行いではない。女性と身近に接触するのは戒律に反することだ。修道士としてどうして規則を破ることをしたのですか?」

女性を運んだ修道士は何も言わずあるき続けましたが、最後にこう言いました。

「私は1時間前に川岸で彼女を下ろしました。なぜあなたは今でも彼女を運び続けているのですか?」

Irmgard Schloegl
The Wisdom of Zen Masters

キリスト教でいう「修道士」とは?

修道士というのは、修道誓願を立て禁欲的な信仰生活をする男性のことである。」と言われています。(ウィキペディアより)

「修道士」になるためには、一定の「見習い期間」を経て、「修道誓願」を立てるそうです。この「二人の修道士」の物語は、「見習い期間」と「誓いを立てた後」の修道士の違いを表現しているように思われますが、いかがでしょうか。

それとも、二人とも立派に「修道誓願」を立てているのに、このような二人のタイプがいるよ、と教えてくれているのでしょうか?

サマセット・モームの「雨」のような短編小説をみてもわかるように、小説になりやすいのは、断然後者の方です